福島原発事故講演会:ガンダーセン氏,ヴァーモント大学7/23(日本語訳)

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原子力発電 101:フェアウィンズ、核分裂により沸騰水型原子炉を稼働することの基本的な利点と欠点を検証する

** 本プレゼンテーションとパワーポイントには、原子力発電所がどのように機能しているか、事故発生時に原子炉をどう冷却するか、ホットパーティクル(放射性を持った粒子)を吸い込ん場合の影響、それと核廃棄物の長期保管に関する懸念事項についての考察があります。本プレゼンテーションは、2011年7月23日、バーモント大学で行われた「原子力会議」で発表されたものです。**

*ビデオ主要部 日本語訳( www.fairewinds.com より日本語版転載 )

完全球形の形状には意味があると言う人々がいます。このような爆発もひょっとすれば完全球形となるかもしれず、そうならないとしたらなぜでしょうか。どちらにしてもこれは上昇するにつれて球形となっています。これは原子爆弾ではなく化学反応ですが、明らかにエネルギー量は莫大です。(次のスライド)

 これは2秒間に起こりました。(次のスライド)ここでは火炎が上空で小さな顔のように見えます。(次のスライド)

 想像しやすいように例を挙げると、これは50mで建屋のてっぺんまでが150フィート(45.7m)です。今お話ししているのはほんの2秒間に3000(0.9km)〜4000フィート(1,2km)上昇した状態なのです。(最後のスライド)

 破片は屋根の残骸ですが、核燃料でもあります。それがこの爆発の本当に恐ろしいところなのです。事故現場から1マイル先と、1マイルから2マイルの間のところで、私の小指ほどの核燃料の破片が見つかりました。再度計算して、空気抵抗のある空中にこのようなものを投げた時にどのぐらいのエネルギーが必要かを調べてみました。空気抵抗をほとんど受けない完全球形をしていたとしても、1時間に1,000マイル(447m/sec)の速度で投げられていなければならなかったでしょう。このことは、この爆発がデトネーションであって、デフラグレーションに他ならないことを示しています。原子力業界はそのことの重要性を過小評価するような議論を展開しようとしていますが、デトネーションとデフラグレーションの違いは格納容器設計の世界では劇的なものです。

 これは劇的なものですが、それは原子力規制委員会が日本国内の米国人を、原発から50マイル(80km)圏外へ避難させた理由ではありません。彼らは、発火した場合はその爆発よりもっと壊滅的となったかも知れない、使用済み核燃料プールを憂慮していました。4号機の頂上にあった使用済み核燃料プールは、その原子炉の中身全部だけではなく、5年、6年、あるいは7年分の核燃料を貯蔵していたのです。

 ブルックヘイブン(Brookhaven)は使用済み核燃料プールのどれかが発火したら、大気中のプルトニウム起因の癌によって死亡する人が約18万人に上るであろうという研究を行っています。つまり、NRCのジャツコ(Jaczko)委員長が福島第一原発事故の直後に米国人を避難させたのはこの劇的な爆発のせいではありません。それは起こっていれば最悪なケースですが、幸いに今のところまだ起こってはいない、4号機の使用済み核燃料プールの火災なのです。

 もうひとつ、福島原発が乾式キャスク(使用済燃料乾式貯蔵容器)を備えていて、この乾式キャスクは事故の危機を無事に乗り切ったことを知っておくことも重要です。1つのメッセージは、これらが設計は異なっていても典型的な乾式キャスクであって、津波に遇い、浸水し泥だらけになったものの、溶融も爆発もせず今日も基本的には無傷のまま存在しているという事実です。

ここで、C10 と Pilgrim Watchへの教訓は、使用済み燃料プールから核燃料をできるだけ取り出して、より安全な乾式キャスク貯蔵庫へ移すことです。

(22:36)
デヴィド・ロックバウム:福島第一原発事故の主な原因について少しお話ししたいと思います。この図はシーブロック原発(Seabrook)のような加圧水型炉です。これは意図的にそうしたのですが、米国の原子炉が直面した災害の主要原因が何であっても、その結果は基本的には同じだからです。時間軸は異なり、そこにたどり着く経路は異なるかも知れませんが、終点は同じでしょう。

 主な原因は皮肉なことに、発電所の広範囲にわたる電力の喪失でした。地震が発生した時、通常の送電線が破壊され、地震によって発電所の自家発電装置からの電力も失われました。従って、地震が発電所に最初の一撃を与えたのです。発電所自体の通常の電力供給源を奪ったことです。

いくつかの予備電源はありました。各原子炉は2つのディーゼル発電機を備えていました。通常の電源が失われた際に重要な発電装置に電気を供給するという唯一の目的のために設置されていたのです。6秒から7秒の間にディーゼル発電機は起動し、重要な発電装置に電力を供給し始めました。全てにではないものの、炉心を冷却し格納容器の動作の完全性を維持するには十分でした。

そこに津波がやって来ました。日本ではタービン建屋の地下に緊急用ディーゼル発電機を設置しています。これは地震に対して最大の防備となります。高い床に何かを置いて揺すると落下しますが、低い場所に降ろして揺すっても留まっているからです。従って、地震に対しては最大の防備があった。しかし、洪水に対しては本当によい防備とはいえません。12基のうちひとつも津波には耐えられませんでした。従って、津波が到来し、緊急用ディーゼル発電機を全滅させたことが、発電所への2番目の打撃となったのです。

バックアップにはさらにバックアップがあります。この発電所には、ほとんど全ての合衆国の発電所と同様、原子炉1基につき1つの安全システムに十分な電力を供給できるバッテリーを貯蔵していました。日本ではこの直流電源は少なくとも8時間は稼働するべく設計されていました。米国の原発の原子炉ではこれが4時間ですから、半分のバックアップ能力で、これらの原子炉がより高く生き残る可能性はおそらく低いでしょう。

事故のある時点でバッテリーが消耗し、発電所に3番目の打撃(ストライク)を与えました。ボウリングなら10個のストライクを狙ったところですが、この場合はボウリングではなく野球のようなもので、3つのストライクで終わってしまったのです。

この図は、原子力規制委員会(NRC)が福島原発事故の何年も前に実施した研究からとったものです。通常の交流電源を喪失したときにどうなるか、バッテリーの直流電源が作動することを示しています。福島原発は何年も前に定められたタイムラインに礼儀正しく従いました。緑の垂直の破線は4時間後を示しています。これが米国発電所のバッテリーの容量分です。

赤の破線は8時間後を示しています。この分析によると、約5時間ないし6時間でバッテリーは消耗します。その時点で、圧力容器の水位が下降し始め、炉心が熱されて行きます。約14時間、あるいは10から12時間で炉心は溶融し、圧力容器を突き抜けて燃えました。

これは予測であって、予期せぬ驚きではありません。数時間後には格納容器が損傷しました。悪い結果が起こる可能性がある悪い条件がそろうと、当然悪い結果が生まれる。これは何年も前に予測されていました。福島はこの分析が実際に現実となったことを、3度にわたって示したのです。

その結果です。3号機は左側、4号機は右側ですが、位置は問題ではなく交換しても同じです。どちらにしても見栄えのよいものではありません。建屋は爆発しました。4号機の炉心には燃料はなかったかもしれませんが、同様に爆発しました。3号機へのシンパシー・ペインか何かでしょうか。

原子炉建屋は二次的格納容器、つまり、汚い放射性物質と公衆を遮る最後の防壁ですので、これが破壊されたということは、福島には放射能への防壁がもはや残っていないということを意味します。

これは私の研究ではなく、アーニーのでもなく、ラルフ・ネーダーのでもなく、ヘレン・カルディコットのでもなく、他ならぬNRC(原子力規制委員会)の2003年8月の研究です。広域停電が起こったら米国の原発で何が起こるかを観察しています。NRCであって、私たちではありません。

これはシーブルック(Seabrook)のような加圧水型炉に関する表です。第3列は広域停電による原子炉溶融の確率を示します。第2列は当該原子炉が溶融する全体的なリスクで、プラント所有者によって計算されたものです。これも、私やアーニーやグリンピースなど他の者ではありません。

第4列はただの割合です。発電所のブラックアウトがあった時のメルトダウンの全体的な確率が何パーセントかを示します。米国の多くの発電所で、長時間の電力喪失があった場合のメルトダウンの確率は非常に高いのです。これは海外沿いに立地していないものも同様です。イリノイ州の発電所の緊急ディーゼル発電機を破壊するのに、津波を連れて行く必要はありません。

シーブルック(Seabrook)原発の場合は、広域停電による溶融の確率は22%です。NRCとプラント所有者によるデータですが、なぜか福島事故以後、彼らはこのことについて大きな声で語ろうとはしません。

この表は米国の原子炉のバッテリー稼働能力も示しています。赤く囲まれているのは皆4時間発電所です。8時間でも福島では十分でありませんでした。ところが、NRCは4時間で十分なはずだというのです。

28:40 これはピルグリム(Pilgrim)やバーモント・ヤンキー(Vermont Yankee)のような沸騰水型原子炉についての表です。多くの発電所で、広域停電が炉心溶融につながる高い可能性を示しています。ここにイリノイ州のラサール発電所(LaSalle)が、シカゴ郊外で津波のリスクが特に高い危険地域とは知られていませんが、入っています。広域停電により炉心溶融が起こる確率は80%です。他のあらゆる原因を合わせたリスクの4倍に等しい確率です。

これが主要な原因でした。米国の発電所はすべてが津波に脆弱ではありませんが、広域停電には脆弱です。2003年のハリケーン・アンドリューによる停電の際、ハリケーンはターンキー・ポイント原発(Turkey Point)を通過し、これを停止させ、4日間にわたって電力供給を奪いました。私はテネシー州に住んでいます。州境をちょうど越えたところのアラバマ州側で2週間前にトルネード(竜巻)がブラウンズ・フェリー原発(Brown’s Ferry )を襲い、ループを引き起こしました。文字通りの「ループ(LOOP)」(外部電力喪失: Loss Of Offsite Power.)です。数日間、外部電源喪失状態になりました。しかし、ディーゼル発電機の大方は稼働し、いくつかの故障はありましたが、全体としては正常に稼働して水素爆発を防げました。

以上が主要な原因です。

副次的な要因は手続の不十分さです。私が原子力規制委員会(NRC)で働いていた間、そこの検査官に緊急手続について教えていました。これは私が彼らを教育するのに使っていた図の一部です。米国内のピルグリム原発やバーモント・ヤンキー原発、沸騰水型原子炉の運転員たちによって使われていたものと同一です。

これらの教材は電力のコントロール、圧力容器内の水位、圧力容器内の圧力を、さまざまな想定下でのあらゆる種類のシナリオのもとでどのように処理するかについて多くの情報を提供していました。しかし、それは事故が台本どおりに従ってくれた場合にのみ有効なのです。その全ては電力が4時間以内に復旧するということを前提としていました。実際にこれを前提としていましたので。ですから、恣意的に、電力は4時間以内に回復するとされていたのです。

日本では電力は8時間以内に復旧するとの前提を立てていました。ですから、事故がこの台本通りに進まず、前提とした時間までに電力が復旧しない場合に、運転員は何をすべきかについて何の指針も持たないのです。彼らは実際によく対処しました。何の指針もなければ、どのような選択肢もなかったのですから。できることは多くはありませんでした。あったのは数台のポンプ、数台のモーターで、しかも電力なしには動かせません。動かせないポンプを指摘することはできたとしても、動かせるものを何一つみつけることはできなかったのです。

これは使用済み核燃料の事故に対処するために用意されている、緊急手順の全ての完全版リストです。全てが掲載されています(笑)よいニュースなのは、運転員は存在しない手順を忘れることも、これに違反することもできないということです(笑)。1年間NRCのために働きました。どんなことにも良い側面をみつけることはできます。

これが埋められねばならない領域であり、ギャップだと思います。もし米国の原発で使用済み燃料プールの事故があった場合に、運転員が参照できる手順があればよいのですが。

アーニー・ガンダーセン:この種の事故に2番目に寄与している原因は、これも福島に限ったことではなく、ここでも起こりえるのですが、過密状態の使用済み燃料プールです。

これらの発電所が設計された際、使用済み核燃料はそこに5年間置かれた後に、再処理工場へ輸送される計画でした。私が業界で上級副社長だった時、私の部門がやっていたことは核燃料ラックを設置することでした。ときには同一の顧客のために3回も核燃料棚を造ったことがあります。もし5年が限度なら、10年間使おうというわけです。5年経ったら、顧客は戻ってきてドアをノックし、もっと必要だと言ったことでしょう。

そして、日本で起こったのは燃料ラックがすし詰めとなったことです。ピルグリム原発のような原子炉は燃料プールが非常に高く空中にそびえています。ここにはさらに問題がでてきます。

しかし、本当に問題なのはこれらの燃料を全て一カ所に置いていることです。ピルグリム原発の燃料プールには、これまでの全ての原子爆弾と、チェルノブイリ、福島を合わせて放出された以上のセシウムがあります。従って、燃料プールが火事になると、それは天文学的な数字の信じがたい損害をもたらす可能性があります。

これは4号機の写真で、4月の水素爆発の後、大方もと通りの量の水が給水される以前のものです。燃料棚のてっぺんに小さな箱があり、これらが露出しています。核燃料の先端が露出するほど多くの水を失ったというわけです。ここで指摘したいのは、ここにいくつかの小さな箱が、またここにもいくつかの小さな箱が集まっていることです。もし、小さな箱をつくるビジネスに従事している人がいれば、これが何を意味するかは明瞭ですが、そうでない人にはしばらく観察することが必要かも知れません。詳細をご覧になりたければ、このスライドは私たちのウェブサイトに掲載しているので観て下さい。

これは高密度の燃料ラックです。日本人はアメリカ人よりはずっとうまくやっています。彼らはここに5年、6年、あるいは7年燃料を保管し、その後、乾燥キャスク貯蔵庫に移します。アメリカ人は乾燥キャスク貯蔵庫を持っていないに等しいです。丁度ひとつの炉心を空にしておくのに十分なだけです。従って、2番目の副次的原因は燃料プールに多くの燃料を詰めすぎていることで、これを乾燥キャスク貯蔵庫に移す必要があるのです。(次のスライド)

3番目の原因、これをとうとう議論することになりました。ディーゼル発電機が冠水しなくとも福島原発は失敗したことでしょう。なぜなら、これらのディーゼルは給水ポンプと呼ばれるそれ自身の冷却ポンプ持っており、それはちょうど水の真上にあります。台所のシンクにヘアドライヤーを落とし、取り出してからスイッチを入れても、うまく動かないでしょう。福島の給水ポンプも同様に故障しました。これとは異なるアメリカの原子炉は「私たちのディーゼルは高いところにあるので、ここではそんなことは起こらない」というでしょう。この点についての事実は、ポンプは水面下に沈めておかねばならないということです。そこに水があるのですから。この写真で、ひと山の瓦礫が見えるでしょう。ちょうどここです。これは給水ポンプです。破壊されてなくなってしましました。ですから、仮にディーゼルが残ったとしても、また高いところにおいてあったとしても、ディーゼルの冷却に用いる水が失われかもしれず、それなら同様の状況に至ります。

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繰り返しますが、人々がここのディーゼルは日本とは異なると言っても、給水システムはそうはいかず、水の上になければならないのです。例えばフロリダでは、デイブが話したターキー・ポイント原発では、ハリケーン・アンドリュー来襲時に、もう少しで発電所にぶつかる直前にまで巨大な高波が押し寄せました。ハリケーンが給水ポンプを冠水させ福島のような事故を引き起こせば、ハリケーン・アンドリューよりも遥かに悪いことになります。

最後に、しかし重要性が最も低いわけでなく、私が学んだ教訓はいかに私たちが賢くとも、大自然にはかなわないということです。この写真は先週ネブラスカ州の原発で撮ったものです。そこには2つの原発があります。私の話がおわかりかどうかわかりませんが、もしあなたがネブラスカにいればおわかりでしょうし、信用して下さる方がよいでしょう。ロッキー山脈には膨大な雪があります。ロッキーに発するいくつかの川、これはミズーリ川ですが、氾濫状態にあります。実際には、氾濫状態を越えているといってもよいでしょう。ミズーリ川はこの原発の堤防をいつ破壊してもよい状態です。これはわれわれのいうところの設計起因の事故で、そのように建設されたのです。設計起因の事故は起こってはならないもので、これは誰もがこれをひときわ重大 と考えます。この原発は現在堤防の真上にあります。これがはじめてではなく、1993年にも同じことが起こりました。

もし設計起因の事故が20年の間に2回起こったとしたら、その教訓は、これらの堤防をさらに高くする必要があるということかもしれません。これは良い考えかも知れませんが、実現しません。他の一片は、福島が教えたことですが、そこでの津波は予見されていたということです。しかし、われわれは全ての津波の要因を予見することはできませんでした。現在ミズーリ川が氾濫している理由は上流に能力限度に近い6つのダムがあり、もし水がそれ以上に満水となれば決壊するでしょう。そこで全てのパイプがダムの決壊を防ぐため、水を下流に放流しています。

私は「もし、〜なら」の世界に住んでいます。これらのダムの1つが決壊したらどうなるか? この原発の所有者であるライセンス申請者はこのように設計をする必要はありません。ですから、われわれはたった今、福島から離れたところでダムの決壊を目のあたりにしているのです。

ここボストン地区で、皆さんはケープ・アン(Cape Ann)地震を経験しました。1969年の昔に起こったことを皆さんが覚えているかどうかわかりませんが。これはボストンを破壊したのです。そして、ケープ・アン地震が予想される最悪のものとなどと考えないで下さい。大自然は、ここで、予想より遥かに困難な試練をわれわれめがけて投げることがあるということを教えてくれているのです。

しかも、ニュー・イングランドの発電所の設計の基本はケープ・アンです。それにさかのぼる記録はそんなに多くはなく、ごく少しの歴史を辿って行きます。

西海岸にはダイアブロ・カニョン原発(Diablo Canyon)があります。3マイル離れた沖合には、発電所が建設されてから発見された断層があります。しかし、それは発電所建設後に発見されたために、新法令の適用対象外となっています。

海岸を下るとサン・オノフレ原発(San Onofre)があり、そこの津波防波堤は9メートル(28フィート)の高さです。これについては再評価の必要があると思います。大自然はわれわれが起こると信じたいこと以上のことを成すことができるのです。

デヴィッド・ロックバウム:何が問題かのいくつかについて学びましたが、われわれに必要なのは原子力規制委員会(NRC)の不行動(NRC inaction.)、おっと失礼、3つの語が必要で、行動するNRC(NRC in action)、でした。(笑)

行動させるのはとても難しく、私は14年間UCSにいましたが、とても困難です。NRC(原子力規制委員会)で働いていて解決できないままでいた問題のひとつは、行動が十分でないことでした。それが問題だということ―燃料棚の使用限度ですが―を強調することはなかったのです。NRCで働くということは実際には活発で精力的な仕事とは言えませんでした。

これは加圧水型原子炉の概略図です。ここでお話ししたいのはいくつかの安全に関する問題で、NRCは自ら知りながら、米国の原子炉の問題を解決しようとせず、人々にますます高いリスクを負わせつつあるということです。以前から彼らはこのことを知っています。これが最初にお話ししようとすることです。最初に彼らは数年前、大統領に警告を行いました。警告を発した相手の大統領はジミー・カーターでした。その問題は未だに解決していません。それはジミー・カーターの誤りではなく、NRCの過ちだと信じています。その問題とは、加圧水型炉では、原子炉容器につながる配管が破断すると、原子炉内部の冷却水が破断した管から急速に漏れだすということです。システムの最初の対応は、窒素ガスで上部に圧力をかけた高圧水槽水をパイプに通して、破断したパイプから漏れていく水を補給することです。

最初の補給水は、ポンプが自動的に左側から作動し、交換水をタンクから圧力容器に戻して、破断したパイプの両端から流出する水を補給するまでに十分な時間を与えます。ある時点で、外部のタンクは空になります。そこで次のステップでは原子炉の底に集まっている水を同じポンプを通して送り込む。これらのポンプは取水の場所を再調整し、圧力容器を冷却するために送り返します。水は破断した配管を通して漏出し、炉の底での補給を終え、その水は原子炉の冷却のためにリサイクルされるのです。NRCが知っている問題は、配管の破断した方の端から噴出する水の激しさが壁の塗料、配管の断熱(絶縁)被覆剤、行く手の剥がれやすい他のどのような物質をも引き剥がして建屋の地下まで運び、そこでバスタブの排水口の髪の毛のように網を詰まらせるということです。そして、水はポンプにたどり着くのではなく、建屋内で溜まるのです。NRCはこのことをカーター大統領に警告を行った1978年から承知しています。

これはNRCが行った、米国の69カ所の加圧水型炉でこれが起きる確率を調べた研究です。赤いボックスは、サンディア国立試験場によると、米国原子炉でメルトダウンを起こしやすいところです。少し急ぎます。

69の原子炉のうちただ53基だけが事故が起こった際にこのメルトダウンが起こる可能性が高い。1978年以降で69基のうちのたった53基だというのです。よいニュースはNRCがプラント所有者にこの問題を解決するように要請し、オーブントースターを、最初にこれを実行した会社に与えたことです。(笑)最初の会社は、理由は他にあるのですが、デイビス・ベッシー原発でした。しかしこれらの原子炉のうちの多くが現在はこれを解決しています。かれらは格納容器内にもっと大きな濾過スクリーンをおいてこれを塞ぐデブリーをより多く取れるようにしました。同時に彼らは格納容器内のペイントや塗装、その他の材料を交換して、破損して格納容器に落ちてしまいがちだったのを強化しました。

従って、この問題を解決した原子炉では実際にこの問題が存在する確率も小さくしたのです。

しかし、20の原子炉はナンシー・レーガンの指示に従って、NRCの要請を拒否し、NRCの再度の要請にも従えないという態度を取りました。

私たちはNRCがこれら20の原子炉に多くの他の原子炉が解決済みのこの問題に対処させるように働きかけており、その間に皆さんの裏庭にあるプラントでこの問題が起こらないように望んでいます。というのはそれがうまく働かない可能性は十分あるからです。しかし、それは原子炉が停止した場合のみですが。(笑)

カーター大統領が警告を受けたよりも早く、アラバマ州でテネシー河谷開発公社が所有・運営しているブラウンズ・フェリー発電所で火事がありました。ろうそくを使って空気漏れを探していた作業員が、ろうそくがそうなることは知られていますが、火事を発生させたのです。オレアリー夫人の牛にはアリバイがありましたが、この作業員はろうそくの火で空気漏れを探そうとして制御室の真下の部屋で火事をおこしてしまったのです。全てのケーブルが制御室からその真下のこの部屋を通り、プラントのさまざまな施設に出て行っていました。

発電所はすべての電力を維持することができましたが、制御システムと制御室をつなぐ全てのケーブルと屋外設備が失われました。ブラウンズ・フェリーの1号機は緊急設備のすべてを失いました。火事は全てのケーブルを損傷しました。2号機はこの火事により、安全システムの大部分が喪失しました。

それで、NRC(原子力規制委員会)がこれは際どいと思ったのです。NRCは1980年5月、ブラウンズ・フェリー事故の再発を防ぐために規則を採択しました。これは、NRCのリストで、これらの 規則に対応せず、またNRCが2004年に採択した別の規則のどちらにも対応していない—NRCがどちらかの規則に従うよう要請しているにも拘らず―原発の一覧です。これらはNOと答えたきりです。米国の50の原子炉のうち、およそ半分で、30年前に採択された規則に基づいた防備がなされていないのです。これはNRCの怠慢です。

皮肉な事に、これらの規則に対応していない発電所のひとつは、そもそもこの問題の発端となったアラバマ州のブラウンズ・フェリー原発で、全く弁解の余地はないのですが、規則に従っていないのです。

これは説明の必要もありませんが、およそ10年前に私たちはあの9/11を体験しました。NRC(原子力規制委員会)は原子力発電所が悪意を持った行動に対する脆弱さを軽減するために従うべき安全要件を課しました。今日、NRCはこの規則に従っていない数カ所の発電所があることを認識しています。これらの原発所有者はもっと時間が必要だというのです。みたところ、テロリスト達がリタイアするのを待っています、というのが私たちの新しい安全防備体制なのです。(笑)もし私たちが安全面での不備を見つけたら、現場に行ってそれに対処するはずで、一覧表に載せて原発所有者に安全規則に従うよう要請し、お願いし、説得するというようなことはしません。NRCが自ら定めた規則を執行すればよいのですが。行動しないのです。 

アーニーと私は、原子力規制委員会(NRC)以外の場で、これらの問題に対処するため行われたことについてお話ししようとしていました。約12年前、NRCは私を連邦政府諮問委員会法の委員に任命しました。この委員会は特定の活動を監視する為に法的に認可された諮問組織です。この例では原子炉を監督する活動でした。委員会のメンバーには業界代表数名、NRC当局者数名、州政府当局者数名がおり、さらに、名目的な委員で、どのようにNRCの試験的な原子炉監督活動の実際を観察するために加わった市民代表が1名いました。この委員会の良いところは、全会一致の委員会であって、最終的な結果にはそれぞれの委員の観点が反映されねばならないということでした。報告書は多数意見と少数意見をまとめたではなかったのです。
委員会がフォローアップ調査を行った際にはこのルールを多数意見/少数意見に変えてしまったので、私が何を言ったのかは問題ではなくなりました。

しかし、少なくとも最初の委員会ではよい監督活動だったので、これを前進させることはそれなりに意義があるだろうと考えます。NRCが同様な委員会をつくり、福島からの教訓を学び、どのようにNRCがそれを実行するかを観ることを目的とするならば、市民がその委員会に代表を送る値打ちがあると思うのです。少なくともメンバーの1人は地元のグループ、Region 1の地域グループ、ピルグリム・ウォッチ、C10その他の人から、またRegion 2、南西地域、西海岸あるいは中西部から選ばれるとよいと思います。

現在のところ、市民はいくつかの理由により、NRCを全面的には信頼していません。市民の代表を送り、市民の関心事をNRCに提起するのはよいことでしょう。そして、NRCの行動、説明、あるいは行っていることや行っていないことの正当化について、市民に報告を返させるのです。

アーニー・ガンダーセン:他の例は私たちがバーモント州で行ったことです。州の立法府は法律を策定し5名の人々に権限を与えました。1人は知事任命、1人は州上院の臨時代表、もう1人は州下院の多数派リーダーでした。

これら3名が5名の委員会の定員を充たすために、あとの2人を選びました。私が調査したこととデイブが調査したこととの違いは、州はNRCの管轄事項とぶつかってはならないところで、私たちは安全事項を調査することはできまでした。責任事項は調査できますが。

たとえば、非常用炉心冷却装置(ECCS)は私たちが調査できない事項でした。しかしECCSの点検が停電の期間に影響するような場合は、それは責任事項となりました。私たちはコンサルタント達の900万ドルに値する仕事の後に報告書を発行しました。そのお金は私のところに来たと言いたいのですが、そうではありませんでした。行列の形を取った検討事項に答を出すために、コンサルタントのチームが招かれました。13の異なるパラメーターについて、6つの異なる原子炉システムごとに調査していました。それは13×6の行列です。そして、委員会が特定した81の異なった領域での問題に関わっていました。いつも不思議でした。部外者を雇って81の問題を見つけさせることによる渉外事務の問題に耐える代わりに、なぜエンターギー社(Entergy)はそれを自分たち自身でやらなかったのか。しかし、彼らはそうしないことを選んだのです。

その翌年、彼らが地下の配水管についての真実を全ては私達に伝えぬまま、私達は再招集され、さらに9つの問題を発見しました。従って公的な監視グループは実効的にはバーモント・ヤンキー原発における90の問題を特定したことになり、これら全ての課題を解決するには少なくとも2015年から2016年までかかることが予想されました。他方、もちろん、原発の操業認可は2012に終了します。そして、この延長がなされるかどうかを私達は見ることになるでしょう。原子力発電所の内部メカニズムに光を当てるのにどのような州政府でも考えつく活動と同様、効果的な活動でした。

有り難うございました。(拍手)

-END-
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Jo2Rayden

Author:Jo2Rayden
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原子力関連、放射線関連の動画に日本語訳、英訳を付けてご紹介させて頂いております。
1/1 GUNDAMの自作動画に東日本大震災の義援金受付先各WEBの紹介を付記してご紹介させて頂いております。
I stay on Earth. I speak Japanese & English.I'm interested in Nuke Power Energy Policy, Donation for East Japan.

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